この秋のドラマ「大恋愛〜僕を忘れる君と」で、戸田恵梨香さん演じる主人公は、やがてアルツハイマー病になる可能性のある軽度認知障害(MCI)であると告知されます。
認知症であることを本人に告知するかどうか。
実母、義母、義父が認知症である私は、どうするべきか今までにも何度となく考えました。
どれが正解とは言えない問題です。
実母は現在は認知症対応型のグループホームで暮らしています。
義母は数年前に亡くなり、義父とはこの春から病気をきっかけに同居をスタートし、まもなく7ヶ月になります。
ドラマを数話見たことが、再び【告知】について考えるきっかけとなりました。
同居している義父のことはもちろん、自分だったら、夫だったらということも考えてみました。
認知症を告知するメリット
- 今後の生き方を考える時間を持てる
- 本人、家族ともに今後の準備をすることができる
- 本人の希望にそった治療やケアができる
これらは他の病気でも同じことだと考えられます。
自己選択、自己決定は大事なことです。
認知症とはいえ、すぐに思考力や判断力がなくなるわけではありませんから、初期のうちに自分の今後について考える時間を持てることは意味のあることだと思います。
認知症を告知するデメリット
- 告知によってショックを受ける
- 病気に対するイメージや情報によって不安になる
- 現在では進行を遅らせることは可能でも完治はできないため「治らない病気」と言われるに等しい
- 不安になることで、今まで保たれていた生活の質を保てなくなる可能性がある
年齢、性格、それまでどのように生きてきてどのように生活してきたか。
上記のデメリットはそういったことにも左右されると考えられます。
と同時に、その人の持つそういった特性によって、デメリットでなくなる場合もあるでしょう。
認知症の告知・我が家の場合
実家の母の場合、主治医が「認知症にならないようお薬を飲みましょう」と説明してくれたそうです。
初期のころは母自身もそのように言っていました。
じきにそんなことも忘れてしまったのも事実です。
はっきりと告知されたわけではないので、認知症であることに対する不安は見られませんでしたが、様々な症状に対する不安は度々口にしていました。

義母の場合はっきりと伝えたかどうかは聞いていませんが、帰省で時々会ったときの様子ではある程度はわかっていたようです。
つらそうにしていることもありましたし、涙を見せることもありました。

義父の場合は告知はしていません。
理由は義父の年齢と性格によるものです。
不安に駆られるであろうことが容易に想像できるからです。
記憶力の衰えを不安に感じている様子はありましたが、認知症の妻を介護して看取った義父にとっては、自身が認知症であると告知されることは絶望感を抱くであろうと思いました。
それよりも少しでも快適に生活を続けられるよう、介護やサポートをしていくことの方が大事だと考えました。
自分だったら告知されたい?されたくない?
タイトルは忘れましたが、認知症の父親の介護をした作者がその父について書いた本を読んだことがあります。
そこには父親の死後に見つけた日記や絵からわかったこととして、認知症であることは本人が誰よりも先にわかるであろうということが書かれていました。
自分に起こっている変化を感じるのは本人が一番最初であるということです。
その記述を見たときに、私ならば年齢にかかわらず告知は受けたいと思いました。
自分が変わっていく様子はやはり自分が一番敏感に感じるでしょう。
そうであるなら、その原因や理由をはっきりと知りたいです。
そしてその後の生き方について自分で考え、家族と相談する時間を持ちたいと思います。
夫も同じように考えているそうです。
まとめ
自分では告知されたいと考えているのに、親には告知していない。
矛盾しているとも感じます。
義父は認知症だけでなく、ほかにも病気を抱えています。
日頃の様子や言動を見ていると、死に対する恐怖よりも「どのように死んでいくか」に対して恐れを抱いているように見受けられます。
自身の妻が認知症でしたから、どのように死を迎えるかを経験しています。
そんな義父に恐怖感や不安感を与える必要はないと思っています。
「知る権利」や「自己決定する権利」は誰にでもあるものです。
でも「知りたくない」という人もいるでしょう。
自分がどう考えるのか、元気なうちから家族と話しておくことは大事なことだとつくづく思います。
親の介護や見守りに関する記事は
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