遠距離に住んでいた義父を我が家に呼び寄せての在宅介護。
それまで近居の時代はあったものの同居したことはなかったため、ためらいがなかったと言えばウソになります。
【あさイチ】離れて住む親の介護・親の呼び寄せ|我が家の場合1年半の在宅介護を経て施設介護となってから、あっという間に半年が経とうとしています。
一方実家の母は、グループホームに入居してからこの春で4年。
在宅での介護は2年半ほどでした。
2人の入居時に感じたことを書いていきたいと思います。
ブログ村テーマ
家族の介護・お世話親の介護最近の母と義父の様子

母は大腿骨骨折や気管支肺炎、誤嚥性肺炎などで入退院を繰り返し、今年の年頭には口からの栄養摂取はもうできないのでは・・・という状態になりました。
それでも見事に回復し、元気に過ごしているようです。
義父はグループホームに入居してからも、健康状態は保っている様子です。
元気でいるのが一番!
義父も母も新型コロナウイルスの影響で面会できない状態でいますが、2人とも健康で穏やかに過ごしているとの報告にホッとしています。
在宅介護から施設介護へ・母の場合

施設介護を選んだ理由
母の在宅介護は、父がそのほとんどを担っていました。
娘である私や妹たちが代わる代わる実家を訪問していましたが、サポートをしていただけで高齢の父の負担は大きかったものです。
介護サービスはデイサービスや訪問リハビリを利用していましたものの、母はデイサービスへ行くことをたびたび拒否していました。
デイサービスへ行くことを拒否する母への対応|施設スタッフが約束どおりのお迎えをそんな状態でしたから、老老介護で疲れ果てている父をとにかく休ませたい思いが最優先でした。
それでも母と離れがたいという父の思いもあり、施設介護に至るまでにはしばらく時間がかかりました。
在宅介護から施設介護へのタイミング
夜は母に頻繁に起こされて眠れず、昼間は母から目を離せない父。
父が心身ともに疲れ果て、疲労度が増していく様子を見ていて、このままではまずい!という気持ちを私たち姉妹3人が感じるようになってきました。
誰かが同居できればまだまだ自宅介護が継続できただろうと思われましたが、それは3人とも不可能なこと。
なんとも言えないやるせない気持ち、親に対して申し訳ない気持ちになったことは、今でもたびたび思い出されます。
認知症家族の介護・在宅介護の限界|在宅介護から施設介護へのタイミング
他人に介護してもらうことに慣れる|認知症対応型グループホームでの生活グループホーム選び
グループホーム選びはケアマネさんにお任せました。
空き状況もわからないし、家族が選んで検討している時間的余裕もなかったからです。
「
認知症家族の介護・在宅介護の限界|在宅介護から施設介護へのタイミング」という記事にも書きましたが、父は「もう無理・・・」「まだ頑張れる・・・」という思いを繰り返しながら母の介護をしてきました。
在宅介護から施設介護へのタイミングは主たる介護者である父が決めるべきだと、ずっと家族で話してきました。
はたから見てまだ在宅介護が可能だと思えても、父が無理だと感じたときが「そのとき」だと判断しようと。
その父が長い時間かかってようやく決心したとき、そこからグループホーム選びが始まりました。
今思えば、もっと早くに施設見学だけでもしておいた方がよかったのかもしれません。
でも父の気持ちを考えると、「見学だけでもしておこうか・・・」とは言い出せませんでした。
ケアマネさんが選んでくれた施設は2カ所。
そのうちの1つに空きがあり、見学したときの印象もよかったため、すぐに手続きを始めました。
在宅介護から施設介護へ・義父の場合

施設介護を選んだ理由
義父の場合は実家のような老老介護ではなく、50代の私たち夫婦が介護に当たっていました。
1年半の在宅介護中には救急搬送も含め数回の入院もありましたが、デイサービスやショートステイといった介護サービスを利用しながら十分在宅介護ができる状態でした。
そのため施設入居はまだまだ先のことだろうと私も夫も考えていました。
それでも施設介護を選んだ理由は、母のときのようにギリギリまで在宅介護をして、主たる介護者である私が心身ともに疲弊するのは避けたいという思いが強かったからです。
そのことは夫にも話していました。
反面、どの時点で決断するのか・・・という課題がありました。
どんな介護施設であっても、いつでも空きがあるわけではありません。
まだ在宅介護ができる状態でタイミングを探るのは、なかなか難しい問題でした。
在宅介護から施設介護へのタイミング
まだまだ先だろうと考えていた施設入居。
グループホームに申し込みをしたきっかけは、主治医やケアマネさんからのアドバイス、要介護認定の更新の際に受けた認定調査員さんからの助言です。
時期は在宅介護を始めてから1年余り経ったころでした。
「これからのことを考えていますか?認知症の場合、ここからの病気の進行は速いですよ」
認定調査後にかけられた言葉です。
ケアマネさんからは「まだまだいろいろなことがわかるうち、できるうちに施設に入居し、そこでの生活に慣れて楽しむこともご本人にとっては大事なことですよ」と言われました。
主治医からも同様なことを。
それらをきっかけに、申し込みだけでもしておこうか・・・という気持ちに傾いてきました。
申し込んでも空きがでるまでには1年ほどはかかるだろうから・・・とも考えていました。
グループホーム選び
ケアマネさんに意向を話し、グループホームのリストをもらいました。
地方の市ですから、施設の数はそう多いものではありません。
私と夫の希望は、デイサービスを利用している施設にあるグループホーム。
場所やスタッフが変わっても、同じ施設内なら義父にとっても多少のなじみがあるだろうと考えたからです。
ケアマネさんが義父に合うだろうと考えていたのも同じグループホームでした。
見学の予約を入れてもらい、見学後に申し込みを。
その時点で4人待ち。
1年ぐらいかかるかと思っていたら約1ヶ月で空きが出て、意外なスピードで進むことにかえって戸惑いを覚えました。
理由はまだ在宅で介護できる状態だったからです。
即答はできなかったので考える時間をもらい、夫婦で十分に検討することにしました。
母と義父の入居を決める際に思ったこと

母のとき
母のときは決定に際しては、父の気持ちを尊重することを一番に考えました。
それでも在宅介護に限界が見えていたため、入居の承諾を父がしやすいように、また母を見放してしまうのではないかという父の罪悪感を少しでも軽くできるように言葉を選びながら、「うん」と言ってもらうしかありませんでした。
義父のとき
義父のときは、私は淡々と「空きが出た。すぐにでも入居可能」という事実を夫に伝えただけ。
決定は息子である夫に委ねました。
今回断った場合、次に空きが出るのはいつになるかはわかりません。
もしかすると1年以上かかる可能性も。
そんな不安も当然ありましたが、夫に決めてもらう気持ちは変わりませんでした。
「主たる介護者である私が決めるべき、決める権利がある」と言う人もいましたが、夫が息子として後悔することはしてほしくないという気持ちが強かったです。
そこには今後の夫婦関係を悪いものにしたくないという気持ちや、夫が私の介護の負担を慮って「もう少し在宅介護で」とは言わないだろうというズルイ気持ちがあったのも事実。
在宅介護をとおして、様々な場面で自分の中にある「黒い私」に遭遇しました。
共通の思い・異なる思い
実の親と夫の親とでは状況が異なりましたが、私自身の気持ちもまったく違いました。
立場によって自分自身の思いが変わることに自己嫌悪を感じたり、「いい嫁」「いい妻」と思われたいという邪心があったりで、そんな自分に嫌気がさすことも。
落ち込む気持ちの支えになったのは、介護の先輩、人生の先輩である年配の方々からかけてもらった言葉です。
「そんな黒い気持ちになるのは当たり前、悪いことじゃない」
「私たちも通ってきた道よ」
「いつかよかったと思える日が必ず来るから」
同じように親の介護を経験してきた人たちの言葉ほど、心強いものはありませんでした。
母と義父、どちらの場合にも同じように感じたこと、思ったこともあります。
それは在宅介護であっても施設介護であっても、親に惨めな思いはさせたくないという気持ちです。
80代後半まで長生きをしてきて、私たち家族を見守ってきてくれた両親、義両親。
そんな親たちに「長生きしなければよかった」と思ってほしくない。
そういった思いは強くありました。
いずれ私たちも通る道。
その道を体現してくれているのが親たちです。
高齢になっても子どもたちに学びを与えてくれる親の存在は、50代後半であっても大きなものです。
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