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80代半ばの認知症の母を90歳近い父が一人で介護しています。
娘たち3人はそれぞれ可能なサポートをしながら支えてきたけれど、4カ月ほど前から在宅介護の限界を感じ始めていました。
もう無理」と「まだできる」のはざまで揺れる家族の思い
在宅介護し始め当初と比べて変わったのは、母の要介護度。
2から3になりました。
そして歩行も困難に。
それでも父以外の誰かが常時サポートできれば、まだまだ在宅介護が可能な状態です。
レビー小体型認知症の特性のためか、調子のよいときもたくさんあります。
母の調子のよいときは、父はもう少し自宅で頑張れるかも・・・と思うようです。
でも夜中に何度も起こされる日が続くと、高齢の身にはつらく感じるのは当たり前のこと。
父は寝不足で疲れとイライラが募ると、病気だと分かっていても母に優しく接することができなくなり、母も自分を受け止めてくれる娘たちに父に対する愚痴をこぼすことが多くなりました。
母が何をしようとどんなに辻褄の合わない話をしようと、私たち娘が母のことを受け止められるのは、きっと毎日24時間一緒にいるわけではないからでしょう。
実家に数日泊まり込みながら母の世話をしていても、自宅に帰る日の朝にはホッとする自分がいます。
そして次の瞬間には、ホッとした自分に罪悪感を感じます。
父はこの環境から逃れることができないのに・・・と。
もう無理・・・まだ頑張れる・・・。
父はこんな思いを何度となく繰り返してきました。
そのたびに、家族で今後の暮らし方について話し合いもしてきました。
在宅介護から施設介護へのタイミングとは
1カ月ほど前に、父がとうとう大きなSOSを出しました。
母とぶつかった翌日の電話で、
「自分の命を削って介護をしている。命と引き換えにしているように感じる」と。
以前からグループホームへの入居の話は出ていました。
父のこの言葉にもう話を進めるべき時期が来たと判断し、父の気持ちも確認したところ進めてほしいと。
在宅介護から施設介護へのタイミングは主たる介護者である父が決めるべきだと、ずっと家族で話してきました。
辛い時間があっても一緒にいたいと願っている両親を、娘たちの思いだけで引き離すことはできませんから。
父が決断したときがそのタイミング。
はたから見てまだ在宅介護が可能だと思えても、父が無理だと感じたときが「そのとき」だと考えてきました。
施設介護へ向けての準備を始める
その日から、施設介護へ向けて動き始めました。
- ケアマネージャーに状況を報告
- 認知症対応のグループホームを探してもらう
- 入居可能なグループホームが見つかるまで、父の負担をどう軽減するかを検討
といっても、すぐに入居できる施設が見つかるわけではありません。
父の懸念と娘たちの心配
父の懸念は2点あります。
- 母が施設入居に納得しないであろうということ
- 母はいつでも父を探すので離れるのは無理ではないかということ
だからといって今のままでは父が先に倒れてしまうかもしれない、というのが私たち娘3人の心配事です。
そこでケアマネージャーも交えて、それぞれの思いや考えを出して話し合いました。
- 今なら入居可能な施設の中から、母に合うであろう施設を選ぶことができる。
- 父が倒れてしまってからでは、選ぶこともできずに遠くの施設になってしまうかもしれない。
- 即座に入居可能な施設が見つからずに、いくつかの施設でショートステイで繋ぎながら空きを待つしかなくなるかもしれない。
- 環境の変化は病状に与える影響が大きいので、いくつかの施設で繋ぎながらということは一番避けたい。
- 要介護者である母のことも大事だけれど、介護者である父の健康も大事。
在宅介護から施設介護へと準備を進め始めてから約1か月後、母は認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)に入居しました。