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実家の母が認知症対応型のグループホームに入居して間もなく2年。
この2年の間に母の症状は緩やかに進んでいます。

昨年は2度の大腿骨骨折による入院、手術でかなり症状が悪化しました。
が、グループホームのスタッフの皆さんの温かいケアのおかげで、入院前の状態に回復することができました。


今日は写真をはさんだ母との会話、「回想法」の効果について感じたことを書いていきます。


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「回想法」とは


回想法(reminiscence life、reminiscence review)とは、アメリカの精神科医R.Butlerによって創始された心理療法のことです。


回想法を特に意識して母と接しているわけではありませんが、少しでも母の記憶に残っているものを引き出せたら、それによって母が少しでも穏やかな気持ちになれたらと思っています。

グループホームに入居する前の主治医の話によれば、特にレビー小体型認知症の場合は末期直前まで記憶が残っているということでした。


昔の写真を見た母の反応


母の現状では自分の思いを適切な言葉で表現することはかなり難しくなっています。
それでも調子のよいときには、自発的な言葉がたくさん出ることもあります。

自室に置いてある母と孫の写真を見ると、自分の孫とわからない日でも「可愛いわね」と言います。
そんな母を見ていて、ほかの写真を見たらどんな反応が出てくるか、どんな言葉が出てくるかと考えました。

iPadやiphoneに母の父(私の祖父)の写真や両親の若いころの写真、私と妹の子ども時代の写真、私の息子たちの写真などが入っています。
それらを見せたところ、一番大きな反応を示したのが祖父の写真。
「あ!」と大きな声とともに私の方に振り向き「おじいちゃんだ!」とはっきりとした声で答えてくれました。


自発的な母の言葉


調子の悪い日はあまり言葉が出なかったり、オウム返しのような言葉しか出てこなかったりする母。
いい日と悪い日の差や、日内変動が大きいことはレビー小体型認知症の特徴の1つと言われています。

そんな母から次々と自発的な言葉が出てきます。
写真をはさんで母と楽しい会話ができるのは、私だけでなく父も嬉しい様子です。
何よりも母の表情が柔らかく緩んできたことが大きな効果だと思います。


精神的な安定も「回想法」の効果の1つ


母に限らず認知症の患者さんは、頭の中にもやがかかっている状態なのではないかと母を見ていて感じます。

「何が何だかわからないの」「もういやになっちゃった」
母が在宅介護のころからよく口にする言葉です。
病状が進んだ今も時々そんなことを言います。
そのような状態では、心の安定を保つことは難しいでしょう。

昔の写真を見たときの母の反応と表情から、いつもかかっているもやが一瞬晴れたように感じました。
その後の穏やかな母の表情や、父と私が帰るときに笑顔で手を振ってくれた様子から、写真を見ることで一時的にせよ精神的な安定が得られたのだと想像できます。

ほんの少しの時間でも、そんな安定感を得られるのは今の母にとって大事なことです。
父がとても嬉しそうにしていたので、父の携帯にも何枚かの写真を入れておくことにしました。
私がいなくても写真をはさんで母と楽しい会話ができるように。


まとめ


私の顔も名前も忘れてしまっているときがある母。
私に手や顔を触られても安心して身を任せている様子を見ると、意識には上らないにしても「娘」という存在が心のどこかにあるのだと信じたいです。

もしそれも消え失せてしまっても母は母です。
母と接しながら、小さな幸せを集めていきたいと思います。



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